収れん火災にご注意ください!!

 昨年12月中旬の良く晴れた午前中の出来事です。佐倉市内にある3階建ての共同住宅のベランダで、まったく火の気がないのにもかかわらず、干されていた衣類の一部が突然燃えるという火災が発生しました。
 消防隊が火災の原因を調べると、火災を発生させた犯人は ベランダ側のガラス越しに吊るされた凹面鏡でした。
 消防隊はこの凹面鏡に窓から入ってくる太陽の光が反射され、反射した先にあった衣類が燃える『収れん火災』が起きたものと判定しました。

収れん火災とは?

 小学生の時に虫眼鏡を使って太陽の熱を集めて紙を燃やす実験をした方もいらっしゃると思いますが、収れんとは太陽からの光を鏡などの反射させるものや虫眼鏡などの光を屈折させるものを通して光が1点に集まることをいいます。そしてこの1点に集まった先に可燃物があると可燃物が熱せられ発火します。この収れんによって火災となったものを収れん火災といいます。

収れん火災の状況(再現実験の模様)

 消防本部において、出火時の状況と同じ状況を再現し、収れん火災の再現実験を行いました。

              
                         再現実験の設定状況
 
 再現実験を始めしばらくすると、干された衣類からだんだんと白煙が発生し、収れんした光が当たる箇所には一部焦げ跡が見られました。白煙が発生している場所の温度を熱画像装置を用いて計測すると一番高い場所では300℃以上の温度が計測されました。

             
           再現実験の様子@             再現実験の様子A(左:通常画像、右:熱画像) 
 
    
                   
                      再現実験の様子B(動画約20秒)                     
       

身近にある収れんを起こし易いもの

 収れん火災は、日照時間の長い夏場より、日照時間の短い冬場に比較的多く発生しています。冬場は太陽の高度が低く、屋内まで光が入り易いため、特に注意が必要です。
 また、今回火災となった凹面鏡以外にも身近にある以下のものは、収れんを発生させる可能性があります。
  
            
             ・水晶玉                   ・水が入ったペットボトル
 その他に
・ビニールハウスの屋根(水が入ってくぼんでいるもの)
・ステンレスボウル
・車のアルミホイール(鏡面仕上げのもの)
 など


収れん火災を未然に防ぐ!

 収れん火災を起こさないためにも、日頃から太陽の光が屋内のどこまで入ってくるか、また、可燃物をむやみに置かないことやカーテンなどを使って光を遮る対策などを取りましょう