トラクターが燃えた事例


火災の概要

 当消防組合管内の畑作農家で使用しているトラクターが焼損した火災が発生しました


使用者からの情報@
   今日は、朝から畑を耕していました。10時なので 休憩しようと思い、エンジンを止めてから自宅でお茶 を飲んでいました。それから数分後に畑の方から煙が 上がっていたので見に行くと、トラクターのエンジン付近 が燃えていました。
 
出火原因の調査

 使用者の承諾を得て、エンジンを覆っている鉄製のカバーを外すと、エンジンの上部付近に排気管が取り付けられていました。この排気管と接するような状態で、エンジンのシリンダーヘッドカバーに、まっ黒く炭化した鳥の巣が確認できました。


※炭化した鳥の巣
 
使用者からの情報A

 燃えてしまったトラクターは、1年のうち数回しか 使用していません。以前にエンジンをかけようとし た時、エンジン付近から鳥が飛んでいったり、卵が 落ちてきた事もありました。

調査結果
 
これらの事から、トラクターをしばらくの間、使用しなかったためボディのすき間から鳥が入り込み、雨などをしのげるエンジンヘッドカバー上に巣が作られていました。鳥の巣は、おわん型でひなの毛やほこりなどで表面が覆われていたため、トラクター使用中の排気管の熱により蓄熱効果が増し発火したものと考えられます。また、このトラクターはターボチャージャーを搭載しており、排気管系の中で、最も高い部分は300℃以上の温度に達します。

 

使用者の皆さまへ
  
車両や重機などには、必ず排気管(マフラー)がエンジン部分に結合されています。この事例のように鳥の巣があったり、整備後にウエスを置き忘れたりしますと排気管の熱により、出火することがあります。
  しばらく使用していなかった車両等を運転する際には、必ず点検を実施するようにしてください。