消火器の破裂事故に係る注意喚起等について

 令和3年5月、兵庫県姫路市において、火災の際に使用した点検未実施の消火器(1989年製造)が破裂し、初期消火を行っていた従業員が負傷する事故が発生しました。また、令和2年3月、愛知県名古屋市においても、初期消火を行っていた従業員が負傷する同様の事故が発生しているところです。
 消防法令において、消火器のうち、製造年から10年を経過したもの又は本体容器に腐食等が認められたものについて、耐圧性能に関する点検を実施することとされています。点検を実施していない場合は、火災時にその機能を有効に発揮できないおそれがあることはもとより、特に、加圧式の消火器で製造年から10年を経過したものについては、破裂等の重大な事故につながるおそれが高くなることから、ご注意ください。
 また、消火器使用時の事故等を防止するため、「消火器の技術上の規格を定める省令の一部を改正する省令」(平成22年総務省令第111号)により、適応火災及び使用方法等に係る表示が変更されたことから、平成23年1月1日より前に製造された消火器等については、令和3年12月31日までの間に、改正後の消火器の技術上の規格に適合した消火器に交換する必要があります。消火器が設置されている防火対象物の関係者の方は、必ずご確認をお願いします。 
【参考】一般社団法人日本消火器工業会のリーフレット  

消火器を確認してください!

・改正前の技術上の規格に適合していない消火器については、令和3年12月31日までに改正後の技術上の規格に適合した消火器に交換する必要があります。それまでに交換しない場合は、令和4年1月1日以降、消防法施行令第30条違反となります。

【参考】「消火器の技術上の規格を定める省令の一部を改正する省令」(平成22年総務省令第111号)により、適応火災及び取扱い上の注意事項等に係る表示が変更され、住宅用以外の消火器については、表示すべき事項に次に掲げる事項が追加されています。
(1)住宅用消火器でない旨
(2)加圧式の消火器又は蓄圧式の消火器の区別
(3)標準的な使用条件の下で使用した場合に安全上支障がなく使用することができる標準的な期間又は期限として設計上設定される期間又は期限
(4)使用時の安全な取扱いに関する事項
(5)維持管理上の適切な設置場所に関する事項
(6)点検に関する事項
(7)廃棄時の連絡先及び安全な取扱いに関する事項
(8)消火器が適応する火災の絵表示

点検、報告、維持管理について

・消防法第17条の3の3の規定に基づき、消防用設備等の点検及び報告が義務づけられています。当該規定に違反する者は、消防法第44条第11号の規定等による罰則の対象となります。

・点検基準において、消火器のうち、製造年から10年を経過したもの又は本体容器に腐食等が認められたものについては、耐圧性能に関する点検を実施することとされています。特に加圧式の消火器については、破裂事故が発生するおそれが高くなるため、適切な点検又は交換等が必要となります。

・消火器は、通行又は避難に支障が無く、かつ、消火薬剤が凍結、変質等のおそれの少ない場所で、使用に際して、容易に持ち出すことができる位置に設置する必要があります。特に、本体容器又はその他の部品の腐食が著しく促進されるような場所(化学工場、メッキ工場、温泉地等)、著しく湿気の多い箇所(厨房等)、たえず潮風又は雨雪にさらされている箇所等に設置されているものは、適当な防護措置を講じることが求められます。

・著しい腐食等が認められるものは、破裂事故のおそれが高いことから、直ちに当該消火器の使用を中止し、人が触れることの無いよう必要な措置を講ずるとともに、速やかに交換等を行ってください。なお、廃棄に際しては、「消火器の廃棄・リサイクル方法について」(別リンク)を参考として、リサイクルに係る適切な措置を講じてください。また、次のいずれかに該当するものについても、速やかに適切な点検又は交換等を行ってください。
(1)製造から10年を経過した加圧式のもので、かつ、10年以上点検を実施していないもの
(2)平成23年1月1日以降に製造された消火器については、「標準的な使用条件の下で使用した場合に安全上支障がなく使用することができる標準的な期間又は期限として設計上設定される期間又は期限」として、当該消火器に表示された期間又は期限を経過しているもの

・消防法第8条の規定により、防火管理者を定めるべき防火対象物の管理について権原を有する者は、消防計画に基づく消防用設備等の点検等、防火管理者に必要な業務を行ってください。

・消防法令による義務によらず任意設置された消火器についても、適正な維持管理を行ってください。